シングルマザーが受け取れる手当のひとつに「児童扶養手当」があります。
18歳以下の子供を持つひとり親家庭を対象にしている制度で母子手当とも呼ばれています。
しかし、児童扶養手当はシングルマザーであれば誰でも受け取れるのかといえばそうではありません。
一定の条件を満たす必要がるため自分は支給対象になるのか、いくらもらえるかなど気になる点も多いのではないでしょうか。
そこで今回は児童扶養手当について、わかりやすく解説していきます。
児童手当との違いや手続き方法についてもチェックしておきましょう。
児童扶養手当は国が行なっている子育て支援

児童扶養手当は、国が行なっている子育て支援のひとつで、シングルマザーやシングルファザー家庭などに1ヶ月最大42,910円(令和元年度)を支給する制度です。
18歳以下の子供を育てている人を対象に毎年1月、3月、5月、7月、9月、11月の6回に分けて2ヶ月分ずつ支払われます。
これは「ひとり親家庭の生活の安定と自立を助け、児童の健全育成を図ること」を目的としています。
児童扶養手当は、離婚以外でも以下のいずれかに該当する子供を育てている父または母、親に代わって子供を育てている方が対象となります。
・父または母が死亡した子供
・父または母が一定程度の障害状態にある子供
・父または母の生死が不明な子供
・父または母に1年以上遺棄されている子供
・父または母が裁判所からDV保護命令を受けている子供
・父または母が法令により1年以上拘禁されている子供
・未婚で生まれた子供
つまり、バツイチ子持ちのシングルマザーやシングルファザーだけではなく、
両親のどちらかが子供を育てられる状況でない家庭や未婚シングルマザーやそのような親を持つ子供を育てている祖父母や親戚などでも受給できるということです。
子供の人数や所得により支給額が異なる

児童手当は1ヶ月に最大で42,910円を受給できるとお伝えしましたが、これは子供を1人育てている方に対し、全額支給された場合です。
児童扶養手当の支給額は全部支給と一部支給があり、その金額は所得により変動するので、一部支給に当てはまった場合は月額42,900円〜10,120円、所得制限に引っかかった場合は支給停止になります。
これは受給者本人だけではなく、同居している親族などの所得もみられるため、例え自分に収入がなくても一緒に住む両親などの所得によっては制限がかかることもあります。
また、子供が数人いて全部支給の場合、2人目は10,140円、3人目以降は6,080円が加算されます。
例えば、子供が2人いるからといって単純に2倍の金額を受給できるのかといえばそうではないので、注意しましょう。
児童扶養手当の所得制限については細かい条件や控除があり、養育費の有無や家庭の状況に応じて計算方法が異なります。
受給できないケースも

所得制限に引っかかってしまった場合以外にも、児童扶養手当が受給できないことがあります。
例えば、シングルマザーやシングルファザーが、父親や母親または別の誰かと内縁関係や同居など、事実婚状態であるケース。
稀ではありますが、シングルマザーの家に頻繁に彼氏が出入りしているなどの場合でも事実婚とみられ、支給停止となることがあるので注意しましょう。
他にも以下のようなケースでは支給対象になりません。
・子供が児童福祉施設に入所している
・子供が里親に預けられている
・父または母と子供が日本に住民登録をしていない
・父または母が公的年金を受給しており、年金額が手当額を上回る
児童扶養手当の支給については条件が細かいので、自分が支給対象になるのか分からない方は、お住いの自治体に問い合わせてみてくださいね。
児童手当とは違う制度なので注意

児童扶養手当と名称が似ている制度に「児童手当」があります。
この2つは混同しがちですが、実は全く異なる制度なので注意が必要です。
児童手当も子育て家庭向けの制度ですが、児童扶養手当とは以下の点が違います。
・中学生以下の子供を育てている全家庭を対象に、1ヶ月に5,000円〜15,000円を支給する制度。
・子供の年齢や人数、所得に応じて支給額が異なり、15歳に達した年度の3月まで支給される。
児童扶養手当はシングルマザーやシングルファザーのみを対象にした制度ですが、この児童手当は中学卒業までの子供を育てる人であれば全員が対象です。
シングルマザーは児童扶養手当と児童手当の両方の対象者になり、もちろん併用して受給できるため、子供が1人(3歳未満)の場合、最高で月額約57,000円もの手当を受け取ることができます。
また、児童扶養手当は所得制限に引っかかると全額支給停止になる可能性があるのに対し、児童手当は所得制限に引っかかっても特例として月5,000円を受け取ることができます。

児童扶養手当を受け取るには申請が必要
児童扶養手当を受け取るためには、離婚・死別したり、未婚で子供を出産したり、ひとり親家庭になった時に役所での申請手続きが必要です。
手続きの際は役所で用意されている(自治体によってはホームページでダウンロードも可能)認定請求書に必要事項を記入し、以下の7点を用意しましょう。
・印鑑(スタンプ印不可)
・請求者と対象児童の戸籍謄本
・本人確認書類
・請求者と対象児童の個人番号がわかるもの
・請求者名義の預金通帳
・年金手帳
・養育費に関する申告書
必要書類は自治体によってやや異なり、ケースによっては上記以外にも必要書類の提出を求められることもあります。
提出した必要書類を審査し、認定されれば決定通知が送られ、次回支給日から支給が開始します。
審査の際に何度も電話がかかってきたり、追加で書類の提出を求められたり、児童扶養手当ではそういったことも珍しくありません。
必要書類も多く面倒に感じてしまいますが、申請が遅れた分の手当は受け取ることができないため、手続きはできるだけ早めに済ませておきましょう。
また、基本的には申請した日の翌月分から支給されますが、申請のタイミングや審査状況に審査状況によっては受給までかなり待つ可能性もあります。
その後は毎年1回(7月〜8月)現状届のお知らせが届くので、必要事項を記入の上、受付期間内に直接役所へ出向いて手続きを行いましょう。
現状(収入や家族状況など)に問題がなければ、継続して児童扶養手当を受け取ることができます。
まとめ

シングルマザーにとって「児童扶養手当」はとても大切な制度です。
子供1人を育てていて全額支給された場合、年間50万円以上もの手当を受け取ることができます。
児童手当と併用して受け取ることもできますから、家計に苦しむシングルマザーにとっては大きな支えになりますね。
申請には必要書類が多く面倒に感じるかもしれませんが、遅れた分をさかのぼって請求することはできないため、象対者になったら早めに手続きを行いましょう。
支給の要件や手続きなどがやや複雑ですから、分からないことや不安なことがある方は居住している自治体に相談してみてくださいね。
児童扶養手当や児童手当など、国の助けも借りながら、楽しいシングルマザーライフを送っていきましょう。
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