介護職は有給が取りづらい職業に入るといわれています。
ただでさえ人材不足なのに加え、日々高齢者の方の体調が変わる為、どうしても他の業務より時間がかかるからと言えるでしょう。
ですが有給休暇は働いている人ならば当然受けれるもの。ここではどうやって上手に消化したらよいかを考えてみます。
働き方改革法案により有給は義務化する
有給休暇取得には以下のことが法律で保障されています(労基法39条関係)。簡単にですが、内容をのポイントをまとめてみました。
①有給休暇を使うことは従業員側の権利(自由)。
②会社にある権利は「時季変更権」(忙しい時期の申請は違う時期に回して、という権利)。
③有給休暇を取得する理由は問わない。また会社はその理由次第で判断してはならない。
④会社は上記②以外では取得を断ることはできない。
さらに2019年4月からは労働者に対し年5日間の有休をとらせなかった場合、施設には30万円の罰金が科されることになりました。
こういった法改定が行われることにより、介護職でもこれからは有給の取得が比較的取りやすくなる事が期待されています。
有給を受けられる日数
正社員以外のパートや派遣でも、所定日数が周5日、所定労働時間30以上をクリアしていれば有休を取得することができます。日数は労働した勤務年数により増えていく仕組みです。
勤務年月 | 六か月 | 一年六か月 | 二年六か月 | 三年六か月 | 四年六か月 | 五年六か月 | 六年六か月 |
付与日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
これはどの企業においても同じですが、長く勤めれば勤めるほど、有給を多くとることができます。
ヘルパーでの有給を受けやすくするために
介護の現場では「忙しい」ことを理由に、スタッフにあまり休みを与えたくないといった施設も少なくありません。
法決定により義務化されたとはいえ、自分からアクションをしなければ有給が獲得しずらいといったケースも多くみかけます。
そこで施設側との交渉をあらかじめしておくことで、よりスムースに有給獲得につながります。
ここでは休みを上手にを勝ち取るためのポイントについてまとめてみました。
- 同僚と連携をとる・・・先に同僚の休みたい日に率先して仕事を入れ、後から交渉をしてみます。信頼を勝ち取っておけば、お互いの日程を調整しあえる良きパートナーとして休みも取りやすくなるでしょう。どの施設も1年中忙しい場所はありません。少し時間がとれそうなシーズンにある程度の休みを申請しておけば、それほど嫌な顔をされることもない筈です。
- 早めに自分の予定を伝えておく・・・もし先の予定が分かっている場合、その時期でのシフトに関しては予め相談しておきましょう。とくにお子さんの行事の場合なら理解を示してくれる施設も多いはずです。
ヘルパーを辞める時、有給は消化できるの?


色々な事情により転職をすることになったとします。その時もし有給が残っていたらどうなるのでしょう。
有給消化に関しては、働いている施設によってさまざまですが、通常であれば有休の申請をしなくても退職日までの間に有給を使い切れるように配慮してくれるはずです。
例えば有休が10日分あって仕事はあと1か月だった場合。最初の前半に5日とり、後半に残り5日をとってもらうといったようにスケジュールを組んでくれます。
しかし、残念なことに施設によっては「忙しいから何とかして」と押し切ろうとするのも事実。
ここで泣き寝入りしないためには「労働基準法39条の権利で有給休暇を取得したい」と相談してみるのもひとつです。
また今後は「ヘルパー以外」での仕事も考えたいな。と思うこともあるでしょう。
その際にも、様々な福利厚生が期待できる「資格」対策を考えたいですね。おすすめは登録販売者などの資格を持つと、後々安定した給与が目指せます。

介護という資格が好きで、やりがいを感じているなら、このまま別の施設へ転職を考えたほうがいいでしょう。
最近では「介護専門」の転職エージェントも多数ありますから、ハローワークと並行して活用してみるのもおすすめです。

おわりに
繰り返しますが有給はあなたが働く上での権利です。
施設には何の効力も無いことは知っておくべきでしょう。
またせっかく介護職に就いたのに、当たり前に請求できる権利が「忙しいから」だけで却下されるのは嬉しくありませんね。
ただし、施設側の心理としては「人が休む」というのはかなりダメージが大きいのでそこを組んであげることです。
退職の場合はできれば早めに退職の希望を伝え、また仕事を続けていく場合も施設の忙しさを考慮して休みを伝えるなどに気を付ければ、気持ちよく有給の獲得につながるはずです。
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