介護職員として働いていると何度かケアマネージャーや介護福祉士、実務者研修という単語を耳にするようになってきます。
ケアマネや介護福祉士は何となくよくわかるのですが、実務者研修って?と疑問に思うかもしれません。
実務者研修は介護の資格を取るためにはなくてはならない存在です。
自分のスキルや給料をアップすることを考えると、この実務者研修を受けることは、後で必ず役に立つことがあります。
今回はそんな実務者研修についてを徹底的に紹介していきましょう。
実務者研修は国家資格・介護福祉士の受験資格の一歩

実務者研修を修得した後は、まず介護福祉士の受験資格が得られます。
2017年1月の試験からの規定により、国家資格の介護福祉士を受験するには、まず3年以上の介護職としての実務経験と実務者研修の受講が必要と定められています。
実務者研修の受講は介護福祉士の受験には必要不可欠になります。いくら知識や技術を持っていたとしても、この資格がありませんと介護福祉士の試験を受けることができません。
介護職員初任者研修(ホームヘルパー2級)の場合受講したとしても、介護福祉士の受験資格にはなりません。
間違えてしまって介護福祉士の試験の申し込みをするときに困らないように受講をする前に一度確認しましょう。
ちなみに介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)を受講していると実務者研修での受講時間もある程度減らすことができます。
実務者研修で一気に勉強をするのが難しいという方はまず先に初任者研修を受け、そしてひと段落してから実務者研修を受講するという選択肢もあります。
また初任者研修とセットで実務者研修が受けられるスクールもあるので、一度資料を取り寄せ検討してみるのもいいでしょう。
喀痰吸引や経管栄養ができるようになる

実務者研修の研修では450時間の講義を受ける必要があります。
その中には、人間の尊厳から始まり、介護過程や医療的ケアも含まれています。
ちなみにこの医療的ケアを受講することによって、喀痰吸引や経管栄養などの医療行為もできるようになります。
今まで痰が絡んで苦しそうにしている利用者さんに対し「何もできずにいた」場合でも、実務者研修を受けることによって、限定されていますが医療行為をすることができます。
専門職としての知識が得られる

実務者研修を受講することによって専門職としての知識を得ることができます。
勉強をするといろいろなものが見えてて来るので、選択肢が増えていきます。どんどん自分ができることや判断できることが増えてくると心に余裕もできますね。
またリーダー業務につけたり、頼られることも増えていくことでしょう。

自分に自信が出てくれば、自然と仕事に対するモチベーションが上がり、さらに勉強をすることによって、普段行っている介護の仕事が楽しくなります。
そのため資格手当でお給料がアップすることだけがだけをゴールとせず、自分自身のためにも実務者研修を受けることをお勧めします。
サービス提供責任者の仕事を有利に就くことができる

実務者研修を受けることによって、サービス提供責任者に有利に就くことができます。
サービス提供責任者とは通称サ責と呼ばれます。
サ責の主な仕事は訪問介護計画書を作成し、訪問介護のスタッフをまとめることや人員を配置することです。このサ責がいることによって、訪問介護の現場がスムーズに回ることができます。簡単にいうと訪問介護のリーダーみたいなものです。

このサ責になるためにはいくつかの条件が必要で、以下の資格が必要と言われています。
・介護福祉士
・介護福祉士実務者研修
・ケアマネージャー
実は、これ以外にも実務者研修を受けることによってもサービス提供責任者に就くことができます。
上記の資格がなくサービス提供責任者になることは可能ですが、その場合、3年以上の実務経験が必要です。
また介護事業所にホームヘルパー2級の資格を持ったサ責を配置したとしても、介護報酬が10%も減額されてしまいます。
介護事業所の経営の視点から見ても、実務者研修を受けた人が就くほうが有利なのです。
まとめ

実務者研修についていくつか紹介してきました。実務者研修は費用と時間がかかりますが
・国家資格の介護福祉士の受験資格
・医療的ケアの喀痰吸引、経管栄養ができるようになる
・専門職としての知識が増える
・サービス提供責任者に有利に就くことができる
などのメリットがたくさんあり、今後のスキルアップや給料面アップを望むのならば受けていて損はありません。
大人になってからする勉強は大変ですが、自分自身や利用者様のためにぜひ勉強をスタートしてみてはいかがでしょうか。


