どの業界もそうですが、介護の仕事においてもパワーハラスメントやセクシャルハラスメントなど、ハラスメントが横行している場合があります。
とくに介助ケアなどが多いヘルパーの仕事においては、他の業種よりも距離が近いことなどから劣悪なハラスメントが起こるケースも。
そんな数あるなかでもっとも分かりづらく悩みを抱えてしまうのがモラルハラスメント(モラハラ)です。
モラハラとは、直接暴力をふるうのではなく、言葉や態度などで精神的苦痛を味わわせることができ、他のスタッフにわかりづらい場合が多いです。
そして被害者になると密かに苦しみ、ひどい場合には精神的に病んでしまう場合があります。
そこで今回は、知らないうちにモラハラの被害になっていないかのチェックや、その対策についてご紹介したいと思います。
モラハラの定義って何?パワハラとの違い
はじめに「モラルハラスメント」とはいったい何なのか。
その具体的な内容をふまえ、パワハラとの違いをみていきましょう。
先ほども申し上げた通り、モラハラは通常のパワハラとは違うのが特徴で、以下のような場合があります。
- 言葉が態度による嫌がらせ(無視する・仲間はずれにする)
- 精神的な苦痛を与える
- 他者から見えにくい
- ターゲットとなった人以外には人当たりが良い
いかがでしょうか。
人によっては些細なことと感じるかもしれませんが被害者は理解されないなかでじわじわと追い詰められています。
フランスの精神科医で心理療法家・医学博士であるマリーフランス・イルゴイエンヌ氏によりますと、「モラハラは犯罪であり、精神的な殺人だ」と述べています。
モラハラは陰湿極まりない行為であり、そして社会人のすべてがこのことを知っておく必要があるのです。
モラハラ加害者の特徴は仕事ができる!?

モラハラの加害者の特徴ですが、仕事ができる場合が多いです。
そのため、施設側も重宝していてモラハラの被害があったとしても「知っていて見て見ぬふり」をすることもあるでしょう。
モラハラ加害者がなぜモラハラをするかというと、多くの場合「仕事に対してのストレス」だったりします。
そして次々とスタッフが辞めていっても、加害者が仕事ができるため施設は何もいえません。
そしてまたターゲットになりそうな人が見つかると、モラハラを繰り返すという悪循環になります。
パワハラと違い、モラハラは「見えづらい」

モラハラとパワハラの違いですが、大きく二つあります。
ひとつが「上下関係があるか」。
もうひとつが「見えやすいか見えにくいか」という違いです。
パワハラの場合、上司と部下といったように、加害者と被害者の間で上下関係があることが多いのが特徴。
また大きな声で叱咤するなど、パワハラは見えやすいことが多いです。
逆にモラハラの場合、確かに部下と上司といった関係の場合もありますが、それだけではありません。
スタッフ間での関係だったり、新人のスタッフがモラハラの加害者だったりする場合もあります。
モラハラはしたたかに被害を行うため、ターゲットにされた加害者も最初は気がつかず、自然に状況を受け入れてしまう場合がほとんどです。
そしていつの間にか話題から外されていたり、担当から外されていたり…といった事が続くのです。
モラハラの被害者には特徴がある
じつは、加害者はターゲットをよく見極めている場合があります。
それはあなたのように優しくて同情心があり、少しお人よしな、いわゆる「優しい人」である場合がほとんどです。
他人に共感できる事から、なぜか被害者は、加害者の攻撃をうけると「自分が悪いのかな」とまず自分の非を探すこともあります。
そして、いつの間にか相手の術中にはまってしまっているのです。
そこで、あなたの周りに加害者がいないか、以下の項目をチェックしてみましょう。
- 相手はプライベートなことを聞いてくる
- 相手は急に無視することがある
- 相手は態度が急変する
- 相手は機嫌が悪いと、モノや壁を叩くことがある
いかがでしょうか。
一つでも当てはまれば、相手は加害者になる可能性があります。
そしてモラハラ加害者の特徴として際立つのが「態度が急に変わる」場合が多いです
例えばさっきまで機嫌よくしていたのに、急に黙り込んでしまうといった具合です。
ぜひ、気を付けてみてください。
モラハラの被害にあっているかチェック!
モラハラの加害者は人格障害である場合が多く、普通の態度で接していても改善しない場合があります。
それなので、もし職場でモラハラのターゲットになった場合には、同情したりせずに、ぜひあなたの身を守ることを優先させましょう。
なぜならターゲットが続いていくと、以下のような体調面での変化があなたに訪れる可能性があるからです。
- 眠れなくなる
- 食欲がない、イライラする
- やる気が出ない
- 自然に涙が出る
上記は鬱になる一歩手前の状態です。
一度鬱になってしまうと、回復するのにかなり時間がかかってしまいます。
こういった状態はすでに「モラハラの被害」に遭っているのと同じです。
一刻も早く手をうつ必要があります。
モラハラに遭ったら「逃げる」ことが優先
モラハラを避ける為に一番いいのは「逃げること」。これにつきます。
もしあなたがターゲットと同じフロアで働かなくてはならないのであれば、極力会話を減らしたり、業務内容がかぶらないようにする。
またシフトなどを変えて極力会わないようにするなどの改善が必要です。
それも難しい場合は、とりあえず人事に相談し「休職願い」を申請しましょう。
休職願いは会社によって規約が違うため、チェックが必要ですが、もしそういった制度がない場合は有給などを使いましょう。
またこの間に他の施設に移れないか、転職サイトなどをチェックをしておく事をおすすめします。

介護の仕事は雇用先が多いため、たとえ今の条件が良かったとしても、同じかそれ以上の施設が見つかる可能性だってあります。
一番大切なのは「あなた自身の身体を大切にする」ことであり「頑張ってその施設で仕事を続ける」事ではありません。
ここが一番重要です。
おわりに
ヘルパー以外の仕事においても、ハラスメント問題は深刻です。
最近は「働き方改革」などもあり、徐々にハラスメントに対する法的措置も整ってきていますが、まだ道半ばな状況といえるでしょう。
仕事は人生において長く続けなければいけない業務なので、あなたが快適に続けられる職場を見つけることが、モラハラ対策の一番のポイントです。
ですので、フットワークを軽くし「ダメなら次がある」くらいのノリで、モラハラなどのハラスメントを上手に回避していきましょう!

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