介護のキホン PR

【納得】介護記録の5W1Hについて|基本的な介護記録の書き方とは?

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

ヘルパーなどの介護職に就くと、必ず求められるのが「介護記録」。この書き方が分からなくて、最初はとまどう介護初心者も少なくありません。

文章になれない間は苦労するかもしれませんが、コツさえつかめば介護記録はある程度時間を短縮して書くことができます。

ここでは、介護記録の書き方ヒントや種類などについてご紹介していきます。

かいご畑

介護記録では要介護者の日々の生活を記録する

介護記録とは、施設を利用する高齢者の日々の生活を記録し、おもに事故を事前に防ぐ為に記録されます。

種類としては利用者の様子を記入する「介護記録」をはじめ、施設全体の様子を記述する「業務日誌」、スタッフの引継ぎをするための「業務ノート」など、目的に応じていくつかあります。

介護記録で大切な3つのポイントとは?

さまざまな種類のある介護記録ですが、その主な目的は次の3つです。

○法を守り、介護報酬を得るための記録

介護記録は、介護保険法に基づく各サービスの運営基準に定められいるため公的な記録として扱われます。この認定を受けるためには利用者との契約を結び、その契約に基づいた介助を行います。

上記の利用が本当に行われていたのかを確認するため「当日その利用者が施設に来た」「その利用者の様子がわかる」為の行動履歴が必要となります。このため、介護記録は必須となるのです。

とくに変化もない場合も多いかと思いますが、あまりにも観察がない日誌が続くようだと介護報酬の請求が却下されることもあるので、デリケートな対応が必要です。

○介護の品質向上のため

高齢者が日ごろどのような生活をしているか、観察をしながら詳しく書くことで、利用されている方のメンタルなどもわかることがあります。
これらの記録により、より介護の精度が高まり、要介護者にとって必要なケアがわかってくるものです。
介護記録は、介助者のより良い介護をするうえでも必要な記録といえます。

○ヒヤリハットを防ぎ、自分を守る記録

夜間などは要介護者の様子が少し変わることがあります。

そのような時、介護記録にどのような変化があったかを記録することで万が一の事故の際にも証拠としてその記録が役立ちます。

万が一、介護サービスを提供している最中に、重大な事故や訴訟が起きてしまった場合にも、あなたの対応が適切であったかどうかを証明する証拠になるのです。

時には要介護者の家族とのトラブルも起こり得る可能性がありますが、日ごろからキチンとした記録をとることで相手に納得した説明ができるはずです。

介護記録は5W1Hを使うと便利

介護記録はあなただけでなく、スタッフ全員が確認できるようにしなければなりません。

どんな人でも活動履歴を理解しやすく書くためには「5W1H」で文章を書くことが役立ちます。

5W1Hとは、必要な情報を過不足なく正確に伝達したり、次の計画を検討したりする際に的確に相手に伝えるために有効です。

5W1Hを意識して記載された介護記録は介護の経過を振り返る際に非常に有効ですし、要介護者の自立を高める介護計画を立案する上でも参考となります。

5W1Hは、どんなシーンにでも有効に活用できますから、ぜひ覚えておきましょう。

When「いつ」
日付や時間だけではなく、レクリエーションや入浴の後など、記録しようとする場面や、その前後に起きた出来事なども一緒に記録をします。

Where「どこで」
要介護者がどこにいたかを明確に記載します。「食事の場所で」、「自室ベッドの上で」など。

Who「誰が」
あなたが、看護婦が、ケアマネージャーがなど、誰が、誰に向けて行った行為なのかを明確に記載します。

What「何を」
食事や入浴で何をしたのかを具体的に記述します。(例:箸を使わずスプーンを利用した等)。その時の要介護者に見られた様子や、発せられた言葉などをありのままに記載します。

Why「なぜ」
介助者が、なぜそのような対応をとったのか理由を記載します。はっきりとした理由が分からず、要介護者の推測を記載する場合は、それが推測であること、またその根拠を記載するようにします。

How「どのように」
転倒した、起き上がろうとしたが無理だったなど日ごろの気づきをより紹介に書いておきます。「車いすに介助なしで乗ろうとし、車いすに手をかけたがうまくいかず、そのまま床に尻もちをついた」など。

記述例A:○月○日 14:45分。右手でお茶を持つが手が震えてコップをこぼす。大急ぎでテーブルを拭くと一緒に手伝おうとする。

新しいお茶を持っていくと今度は自分の手で何とか持ち飲むことができた。

記述例B:○月○日 15:00分。「お風呂に入りましょう」と声をかけたが「今日はいいです。」と断られる。

15:30分。風呂場に探し物があるから一緒に探してほしいと頼み、入浴まで誘導。首の後ろに赤い湿疹あり。「痒いですか?」と聞くと「気が付かなかった。」との回答あり。

湯の中に入ると急に機嫌がよくなり、昔話などを披露してくれ話も弾む。

15:45。入浴を終える。上機嫌のまま部屋に戻られ水を飲む。

おわりに

どんな仕事でも「やった」「やらない」「言った」「言わない」といった状況は出てくるかと思います。

とくに介護の仕事の場合は、過去の記録から今の状況を把握することが多い為、きちんとした記録をとることであなたの信頼度も高まります。

また介護記録をとる、という意識が高まると「もっとよく見よう」と観察する事も必然的に多くなってくるはずです。

ぜひ5W1Hを使って、日ごろから要介護者の方への丁寧な観察を心がけてください。

 

かいご畑