介護職に就いて、とくに介助の回数が多いのが排泄介護(おむつ交換)です。
初めの頃は、初任者研修や先輩から教えてもらうことがあっても、徐々に一人で対応するようになってきた。でもまだ不安。
などということが、これから初めておむつ交換をする際には発生すると思います。
まずおむつ交換の介助ですが、むりに行ってしまうと要介護者ばかりか、あなたの腰や腕に負担をかけてしまうこともあります。
そこで、あなたや利用者さんにとっても負担の少ない介助方法とはいったいどういったものなのかについて、今回はそのコツを紹介していきます。
おむつ交換の前の注意点

まずベッド以外でもおむつ交換は、要介護者のレベルにもよりますが1日に5回から8回程度行う可能性があります。
あなたも忙しいときには、早く終わらせようと考えてしまうこともあるかもしれません。
ですが、準備をしっかり行わないと、二度手間になってしまったり、清潔さを保てないといったことが起こるので準備はとても大切な行程です。
そこで、おむつ交換の準備において施設では何を常備しているかをご紹介します。
- 使い捨て手袋
- 陰部洗浄用のボトル
- 石鹸(泡のタイプだとなお良い)
- 清潔な布やトイレットペーパーなどの紙
- 新しいおむつ、バッド
- ゴミを捨てるための袋
- 床を汚さないための新聞紙
石鹸が泡のタイプが望ましい理由は、液体だと拭き取りにくく、泡立ちすぎるためというのが一般的な理由です。
現場では、広げた新聞紙の上に排泄介助に必要な物品を広げておくといった風景がよく見られます。
また、排泄介助用の道具が目の前にあって良い気分の人はいませんので、道具の準備は利用者さんの足元のほうで行うように心がけましょう。
ベッドの環境を整えよう!
利用者さんが捕まりやすいように手すりの位置を確認したり、横を向いている時にクッションなどによる支えが必要な人の場合は事前に、手が届く範囲に用意しておきましょう。
特に、ベッドの高さには要注意です。
介護者にとってやりやすい高さでのセッティングは、腰を痛めないための重要なポイントとなります。
また、排泄介護終了時には高さを元に戻すことも忘れずに行いましょう。
おむつ交換の手順について
準備がととのったら、おむつ交換を行います。順番は以下の通りです。
- 要介護者に排泄介助を行う事へのお声がけをし、ズボンを脱いでもらいましょう。足の力が残っていたり、横を向く力のある人の場合は、その人の持っている力を衰えさせないためにも協力してもらうこと。
これは介助者の腰痛防止のコツでもあります。また、排泄介助の間は利用者さんの皮膚状態を観察していくことも忘れずに。 - ズボンを脱いでもらった後は、仰臥位(仰向けの状態)になってもらい、今つけているおむつのテープを外します。
- まずは上から陰部の洗浄を行います。一般的には、A・お湯で汚れを流した後、乾いた紙や布で拭く。B・石鹸で洗い、拭き取る。C/またお湯で流し、拭き取る。と、いった方法になります。
- お湯の熱さを事前にチェックしておき、最初から陰部にお湯をかけるのではなく、大腿部辺りからお湯を流して本人に熱くないかを確かめてもらいましょう。
- 側臥位(横を向いた状態) になってもらい、臀部を洗います。この際、麻痺がある場合は基本的には患側部(麻痺側)を上にしてもらいましょう。足を曲げる事ができるのであれば、曲げた状態で横になってもらうこと。そうする事で、スムーズな介助ができます。
臀部洗浄も同様のやりかたで行っていく
臀部洗浄も、陰部と同様の方法となります。
- 臀部を洗った後、汚れたパッドを取り除いておむつを替えやすいように丸めていきます。
その下から新しいおむつ、パッドを敷き仰臥位にしていきます。 - 丸めたおむつが利用者さんの腰に当たるため、少しの間だけ不快感があるかもしれませんと声をかけられるとなお良いです。
- 次に臀部を洗った時とは逆を向いてもらい、古いおむつを取り除き、新しいおむつとパッドを敷広げていきます。
- 仰臥位になってもらい、パッドの位置を調整して上からおむつを被せてテープを貼ります。このとき、ギャザーと呼ばれる、大腿部の付け根の部分を広げることも忘れずに行いましょう。
- 4の際、足を曲げた状態ではテープが貼りにくい事があるため、一度力を抜いてもらいましょう。
- ズボンを履いてもらい、違和感やシワになっていないかを利用者さんに聞き、問題がなければ排泄介助が終わったことを伝えましょう。
以上が、排泄介助 おむつ交換における大まかな方法です。
本来であれば自分で出来ていた事が、病気や老齢のために出来なくなってしまった、ということを頭に入れつつ、速やかにできるようになれると良い介護者になれると思います。
まとめ
排泄介助は、あなたも要介護者様も「恥ずかしい」という気持ちがあり、最初は緊張することも多いです。
ですが、早さばかりを求めてもシーツやズボンを汚してしまうと、余計な負担をかけることがあります。
ですから焦らず、それでいて速やかな介助をしていくには知識と経験も必要となってくると思います。
また介護の用語集などについてもある程度理解を深めておくといいでしょう。

気持ちの良い介護、負担の少ない介護ができることを祈っています。
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